諏訪大社上社前宮
すわたいしゃかみしゃまえみや 所在地 社名















   【延喜式神名帳】南方刀美神社 二座(名神) 信濃国 諏訪郡鎮座
          (諏訪大社)諏訪大社

   【現社名】諏訪大社上社前宮
   【住所】長野県茅野市宮川字前宮 2062
       北緯35度59分28秒,東経138度8分0秒
   【祭神】建御名方神 八坂刀売神
   【例祭】4月15日 例祭
   【社格】
   【由緒】

   【関係氏族】諏訪氏
   【鎮座地】此の地が諏訪信仰発祥の地とされている

   【祭祀対象】
   【祭祀】
   【社殿】本殿
       内御玉殿 十間廊 社務所

   【境内社】若御子社・柏手社・溝上社・御室社・鶏冠社・政所社・子安社・荒玉社
   【境内図】 境内図

前宮は、大祝の職位式又は即位式を行う鶏冠社を始め、諏訪信仰を物語る重要な社が多く存し、上社最大の祭り、御頭祭も前宮十間廊で行われるなど、諏訪祭祀発生の地と傳えられている。
本宮祭祀以前から祭祀が営まれた場所として、前宮の称が附けられた。


由緒

上社前宮
本宮の東約2キロ、中央線茅野駅からバスで約五分の所に鎮座します。境内の大半を占める広場を神原(ごうばら)と言い、大祝の居館である神殿(ごうどの)と附属する沢山の建物が軒を連ね、上社の祭祀の中心地でしたが、室町時代の中葉に神殿が移転され、多くの建物が消滅し、現在では祭典に必要な建物だけになりました。
神原の中心をなし諏訪大神の幸御魂、奇御魂を祀る内御玉殿(うちみたまでん)は一部に天正13年の旧殿の材を使い、昭和7年の造築です。隣の十間廊はその奥行から付いた名称で神原廊とも言い、上社最大の神事御頭祭はこの上段に神輿を安置して執行します。
前宮御本殿は内御玉殿から二百米上段で、古くは神殿に附属したお社でした。高台で豊富な水や日照が得られる良き地で、御祭神が最初に居を構えられ、諏訪信仰発祥の地と伝えられています。現在の社殿は昭和7年伊勢神宮の御用材を以て建てられたものです。
内御玉殿の百米程西に諏訪大神の神裔諏方氏が大祝の職に就く時、極めて重要かつ神秘な儀式が行なわれた鶏冠社という社があります。

全国神社祭祀祭礼総合調査 神社本庁 平成7年




諏訪大社上社前宮

長野県指定史跡
諏訪大社上社前宮神殿跡
昭和39年8月20日指定
ここは、諏訪大社大祝の始祖と伝えられる有員がはじめて大祝の職位について以来、同社大祝代々の居館であったところで、神殿は神体と同視された大祝常住の殿舎の尊称である。
この神殿のあった地域を神原と言い、代々の大祝職位式および旧3月酉日の大御立座神事(酉の祭)をはじめ、上社の重要な神事のほとんどが、この神原で行われた。境内には内御玉殿・十間廊・御宝社・若御子社.鶏冠社、政所社・柏手社・溝上社・子安社等がある。
文明15年(1483)正月、大祝家と諏訪惣領家の内訌による争いで一時聖地が穢れたことはあったが、清地にかえし大祝の居館として後世まで続いた。後、この居館は他に移ったが、祭儀は引続いて神原に於いて行われてきた。
諏訪大社上社の祭政一致時代の古体の跡を示している最も由緒ある史跡である。
昭和39年8月20日
長野県教育委員会
茅野市教育委員会

社頭掲示板



御手祓道

一ヶ年75回あった神事の内で最も大きい祭事である御頭祭(酉の祭)の儀式が最高潮になる頃雅楽が奏でられる中を神への使者に撰ばれた「おこうさま」が乗馬し、その行列が松明をともしトキの声をあげて神殿のまわりのこの道を三回逆に駈けめぐった内県小県の諏訪領内の郷村をまわって農作物の豊饒を祈る神まつりに出発する神使もこの道をまわり大祝即位の時もこの道をめぐっている。今も一部にこの道の形跡を残す。
安国寺史友会

社頭掲示板



御室社

中世までは諏訪郡内の諸郷の奉仕によって半地下式の土室が造られ、現人神の大祝や神長官以下の神官が参篭し、蛇形の御体と称する大小のミシヤクジ神とともに「宍巣始」といって、冬ごもりをした遺跡地である。
旧暦12月22日に「御室入り」をして、翌年3月中旬寅日に御室が撤去されるまて、土室の中で神秘な祭祀が続行されたという。
諏訪信仰の中では特殊神事として重要視されていたが、中世以降は惜しくも廃絶した。
安国寺史友会

社頭掲示板



小町屋の中小路

小町屋集落は前宮を中心として大まかに三本の道筋が通っている。
その真ん中を上っていく道を中小路と呼んで、戦前までは一般の人々の前宮本殿への参詣道路であった。
中世の古文書史料等から想定されるところでは、この中小路の両側には、水眼の清流をはさんで、前宮神殿に居館を構えた現人神の上社大祝に直属する家臣たちの屋敷地が建ち並んでいたと思われる。
また精進潔斎し、穢れをとって前宮の、神事や祭礼に奉仕する人たちの精進小屋なども設けられたところで、景観は大事に保存したい。 安国寺史友会

社頭掲示板



上社前宮本殿

スワ神は遠く上古の「古事記」「日本書紀」の中にみえるが、ここ前宮は吉来より諏訪明神の住まう所として生き神となる諏方大祝の居舘を存し神秘にして原始的なミシャグジ神を降ろして諏訪明神の重要な祭祀・神事を取り行った聖地である。
四方に千古の歴史をきざむ御柱を配し精進潔斎に浴した眼の清流をひかえて鎮座する前宮本殿はその古姿を伝えながら昭和7年に改築された。
安国寺史友会

社頭掲示板



御柱(おんばしら)

前宮一之御柱である、長さ5丈5尺(約17m)目通り直径約1.2mの樅の木である。
御神徳の更新を祈る氏子の魂を結集した御柱である。上社綱置場(御柱置場)より20数キロの行程を数千人の氏子の奉仕により曳行されるので裏側はすり減っている。
茅葺きの御宝殿と共に寅歳と申歳の七年目に建て替えられる御神木で神域の四隅に建立される。
御柱祭は天下の奇祭として有名であり次回の御柱祭は平成22年庚寅歳に行われる。
諏訪大社社務所

社頭掲示板



十間廊

古くは神原廊と呼ばれ中世まで諏訪祭政の行われた政庁の場で、すべての貢ぎ物はこの廊上で大祝の実見に供された。毎年4月15日の「酉の祭」には鹿の頭七十五が供えられたが、これらの鹿の中には必ず耳の裂けた鹿がいることから諏訪の七不思議にかぞえられた。
上段に大祝の座、次に家老・奉行・五官の座があり、下座に御頭郷役人の座なども定められ左手の「高神子屋」で演ぜられる舞を見ながら宴をはった。
安国寺史友会

社頭掲示板



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