神社明細帳によれば樺神社の祭神は木花咲夜姫命。由緒として、大野郡、式内神社九座の一つであるという口碑がある。 元亀年中朝倉氏の兵火に罹り、後元和年間当郡旧城主金森氏再建以來旧藩主土井氏に至るまで修繕、尊敬したというほかは詳らかではない。 建物は前口一間一尺に奥行二間であつた。明治23年12月23日、篠座神社の境内社少彦名神社に相殿となり、同25年5月20日同神社へ合併が許可されている。 篠座神社社務所に宝藏されている正徳2年(1712)の「椛(注、樺に同じ)神社」の棟札には次のような記事が漢文で書かれてゐる。 椛神社は往古から篠座大明神の傍に鎭座して「長堂」と呼ばれていた。正徳2年に神職清水右近大夫延富の時代に大野町加藤九左衛門が堂社建立を発願し、成就して神樂堂と名付け、椛神社とした。 |