善峰川の北側に南東向きに境内がある。 養老2年創立と伝わる。境内は、「栢森」と称され、栢(かしわ)の木が繁茂していたらしく、栢の社とも呼ばれていた。相殿に、式内石作神社を祀る。 この地が京都から出雲への出口に当るため、出雲系民族によつて開拓され、その租神を祭つたものとされている。 案上の祭に預る程の名社でありながら、神階に関する記載が正史に見当らない。 |
大歳神社の由緒 祭神は大歳神で養老2年2月の創建と云う。延喜式神名帳に記され、山城國鎮座社の内大社に列せられていた。この境内は柏の森と称し社を柏の社とも云ふ。農耕生産の神、ひいては方除祈雨にも霊験ありと知られ当地方の守護神である。相殿に石作神と豊玉姫命を祀ってある。石作神に代々石棺などを造っていた豪族の祖神であり、火明命の後裔である。垂仁天皇の后、日葉昨姫命おかくれの時、石棺を献上し石作大連公の性を賜った。 石作連を祀った石作神社は延喜式神明帳に記され、貞観元年従五位下に昇格している。 大日本史に石作神社今灰方村大歳神社内にありと記され、石作氏衰微後、当社に合祀さられたものである。石作神は昭和49年6月愛知県岡崎市に建立の石工団地神社に分神す、豊玉姫命は海人であり彦火日出見命の后である。例祭は10月21日、氏子祭は10月第3日曜に行い、江戸中期より引続き金剛流家元による奉納舞あり。 大歳神社系 天照大神━━━素盞鳴命━┓ ┏大歳社(当社奉祀)━━向日神(向日神社奉祀) ┣━━┫ 大市比売━┛ ┗宇賀之御霊神(稲荷大社奉祀) 社頭掲示板 |
大歳神社 大月次新嘗 大蔵は於保登志と訓べし○祭神大歳神(神祇拾遺)○灰方村に在す、今萱森明神と称す、(山城志)例祭9月21日、○古事記、(神代段)速須佐之男命、大市此売生子大年神、」神祇拾遺云、(向日明神本縁)向日トハ、大歳神子ニテ御坐、此社ノ北ニ当テハイ方ト云村ニ、大歳神鎮坐云々、(当社と向神社は神縁ある事、今もなほいちじるしき也、) 類社 大和国高市郡大歳神社二座、和泉国大鳥郡大歳神社、鍬遽江國長上郡、但馬国二方郡、石見國那賀郡大歳神社、(各一座)摂津国住吉郡草津大歳神社、伊豆國那賀郡仲大歳神社、 宣長云、諸國に大歳神社と云が多かるは、此神を齋へるも有べし、又其処々にて穀の事に功有し神を然称名けて祭れるも有べし、漢籍にいはゆる大歳とは痛く異なり、字の同きに付てな思ひまかひそと云なり、連胤按るに、数社の中なれば彼漢籍なる大歳を祭るも交りなむ、そは播磨國佐用郡天一神玉神社の例あり、 神社覈録 |