岬状の尾根の上に鎮座している。叢林に覆われた長い参道がある。 仁布神社に比定する説もある。 |
織田神社 『織田神社のまつり』 By 山東 二郎(織田神社宮司) 今年の例祭の模様(写真提供 佐田区) ◎織田神社 正しくは、オリタノジンジャという。織田は地名で古くはこの地域を織田山東郷(オリタサントウゴウ)と称し、その守護神として栄えてきました。 若狭国志に、この神社を祀ったのは景行天皇の御代6年(76年)とあり、今から約1920年前という実に千古の昔ということになります。お祀りしてある神様、つまり御祭神は神代時代の古い神様で、國常立尊(クニノトコタチノミコト)と称し、合祀の神様(合わせ祀る神様のこと)は、應神天皇・大山昨命(オオヤマクイノミコト)・保食大神(ウケモオチノオオカミ)・水波売神(ミズハメノカミ)で、それぞれ八幡さま、山の神、食物の神、水の神です。又、境内神社(末社という)は、織田恵比寿神社・八坂神社・春日神社・金刀比羅神社・国魂神社などがあります。 ◎例祭 例祭(大祭のこと)は、毎年5月11日で、前日の宵宮行事から始まります。10日の夕刻、氏子の大田区から獅子頭迎えの神事があり、役人(やくびと)は、紋付き羽織袴に威厳を正し、行列を組んで参進し、獅子頭を受けて笛太鼓を囃しながら、賑やかに集会所へ帰り、夜遅くまで舞の稽古に励みます。 一方、神社では、みこしのお籠もり(みこしを囲んで番をすること)を、氏子の佐田区の当番の人々が努め、また社殿では王の舞が区長他役人そして舞当番の親近者が見守る中、盛大に行われます。 こうして、11日の例祭当日を迎えますと、10時に祭典が執り行われ、氏子から厳選された小学生子女の浦安舞が奉典されます。午後1時、大鳥居前で「みこしが出発する」神幸祭(シンコウサイ)が、氏子三区の神事奉納者、つまり佐田区の「王の舞」・大田区の「獅子舞」・山神区の「ソッソ」の当番の人々と、三区の主役人ら、そして「みこし」をかつぐ佐田区の青壮年の人々達多数が勢揃いして、「みこし」のお渡りがあります。「みこし」をかつぐ人々は、みな赤い襦袢を着用しており、とても華やいだ感じです。この装いは、織田神社例祭特有のもので他に類例をみません。 3時頃に「みこし」のお渡りが終わると、いよいよ祭りのクライマックスともいうべき三つの神事芸能が能神楽舞台で盛大に催されます。 「王の舞」天狗の面に鳥兜、そして手に鉾を持ち、太鼓、掛け声にあわせて悠長に舞納める。佐田区から選ばれた小学5・6年男子がつとめることになっています。 「獅子舞」獅子頭を受け持つ人と、獅子尾を受け持つ人の二人が、足を強く踏みながら大きな口をパクパクさせながら、身振り手振りよろしく演じ、観衆の笑いを誘います。 「ソッソ」紋付に裃姿の三人が舞台の下手から、足を大きく踏みながら、大手を振って右回りに舞台を三回巡ります。これは、面頭も何もつけない素顔なので、とても面白おかしく、さかんに観衆から野次られます。三回まわり、正面に一列横隊に並立して、三人そろって一例、手に持つ日の丸扇子をひろげて、右端の人がおもむろに「ソー!」と大きく一声、中の人が「ソニー!」、最後に左端の人が一段と大きく「ソォー!」と長く唱え一礼する。狂言もどきの仕草というか、何とも興味深い織田神社特有の芸能で名声が高いのです。 元々これらの神事芸能は、平安初期の延暦年間に弥美神社の二十八所明神の御分霊(ワケミタマ)を当社にお迎えしたときに始まったと伝えられており、天下泰平・五穀豊穣・氏子繁栄を祈ったものであろうと思われます。 ◎夏祭り 毎年8月20日には、子供達の楽しみの一つである夏祭りが開催されます。写生大会や子供みこしが出ます。写生大会は氏子の子供達(主として小学生)が朝早くから描きに来ます。時には大人の方も絵筆をとる姿も見受けられます。夏の暑い時、涼しい緑陰で、一生懸命絵筆をとる姿は、本当に微笑ましい限りです。仕上げた絵は、展示して神社の役員さんに優れた作品を選んでいただき、賞状賞品を贈ります。 午後からの子供みこしは、夏の厳しい陽射しの中、元気いっぱい境内をかけめぐります。 ◎織田神社の自然 織田神社は、四季を通じて花々が華やかに咲き誇ります。 春は桜、夏は恵比須池の睡蓮、秋は紅葉に彩られ、飽きることなく自然の風物に親しむことが出来ます。この自然の素晴らしさに関連して、当神社では愛好者を募り、水墨画や押し花教室を開いて、山々や樹木・花々を満喫していただいております。 ◎織田神社の夕日 神社から眺める夏の夕日の美しいことをつけくわえます。見晴るかす広々とした若狭湾に沈みゆく夕日の美しさは、本当に人々の心をとらえてはなしません。一度カメラを持っていかがでしょうか? 自然いっぱいの、この山里のお宮で,氏子の先人達が守り続けられてきた、ゆかしい祭りの数々がいついつまでも変わらずに存続されることを切に願っております。 夏の日の 夕日がまぶし 織田のみや http://www.mihama.or.jp/maturi/ota.html |