集落の隅、山裾に鎮座する。 多由比神社の例祭神事は、平成8年に県の無形民俗文化財に指定されたが、中世末期の姿を今に伝えている。 |
多由比神社の例祭神事 多由比神社の例祭神事[県指定] 天満・八幡大神を祭神とする多由比神社(式内社)の例祭神事は、平成八年に県の無形民俗文化財に指定されたが、中世末期の姿を今に伝えていて、たいへん貴重である。 例祭神事の当座は、伊良積・世久津・田立・河内・田井野・成出の各氏子集落が順番に勤め、4月16日には、社務所に御幣裁ちの神事を行って18日の例祭にのぞむ。 当日、みこりかき役の少女の家では、朝早くからゴク(七合の粳(うるち)米を蒸す)をつくり、神饌(お供え)の準備を整え、昼前に関係者が当屋宅に集まって当屋祷の後村立ちが始まる。 潮水撒きを先頭に、辻御幣・大榊(おおさかき)その他の諸役が徒歩で神社に向かい、参拝を済ませた後、行列を組み替えて神社の南方250メートルの松の浜と呼ばれる御旅所へ向かう。そこでは祝詞奏上の後、御幣振り・王の舞・獅子舞・田楽・エッサカエット・浦安の舞などが繰り広げられる。 その後は再び列を整えて神社に戻り、境内の広場で浦安の舞を奉納し、神輿渡御(とぎょ)があって例祭が終わるのである。例祭の中のエッサカトットは全国でも珍しい中世芸能の一つである。 社頭掲示板 |