豊の浦の東北にシレイと呼ばれる神聖な小島がある。陸岸から砂洲で繋つているが、ここは「不通浜(とおらずがはま)」といつて禁忌の地となつている。シレイは不浄を許さない聖地として、磐境の伝統を維持してきた。島には社祠に類する建造物は全然無い。磐座が島頭の神所である。これを礼拝するために、浦の那祖師の社が遙拝所になつていた。 素盞嗚尊が御子神である五十猛命とともに韓地・曾尺茂梨の地へ渡った時の行宮の跡とされる。 |
島大国魂神社 祭神素盞嗚尊 白水山ニ祀ル 定 一、 神域ニ立入ル事 一、 鳥類ヲ捕ル事 一、 竹木ヲ伐ル事 右条々於境内令禁者也 昭和十年八月五日 長崎縣 通らずが濱 神代素盞嗚尊渡韓ノ時ノ宮居ノ跡ニシテ 神宮皇后征韓還御ノ日此ノ地ニ於テ親シク 報賽セラレシ聖場ナリ故ニ古ヨリ通行ヲ禁ス 社頭石碑 |
島大国魂神社 豊の宇荒から東600mシレイと呼ばれる神聖な小島がある。陸岸から砂州で繋がっているが「不通浜と呼ばれている。島には社殿無し。これを礼拝するために浦の浜辺の那祖社が遙拝所となっていた。ここに島大国魂神社の鳥居が建っていて今では那祖社と合祀したように成っている。 豊漁港から、磯(岩場)沿いに歩いていくと、「不通浜(とおらずのはま)」がある。その浜を通ると、「シケになる」とか「腹痛になる」という伝説があり、地元の者は絶対に通らない。昔、禁を破った兵隊が戦地へ向う船の中で腹を壊して死んだ。 不通浜に白水山という丘が有り、そこが「島大國魂神社」。ただし、今は何も無い。その白水山からは、白い水が流れるという。石灰か粘土かの山で、雨水が白く濁るということ。 今は、不通浜手前に、石碑があるのみ。現在、「島大國魂神社」は、「若宮神社」とともに、豊漁港にある那祖師神社に合祀されている |