やいづじんじゃ
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焼津中学東に鎮座する。 日本武尊はこの地で野火の難にあうという。 この焼津地方の海岸一帯は天然ガスの噴出が見られ、古代にもそのガスの自然燃焼があり、常に海辺に火が燃えていたため「焼津」と呼ばれるに至つたのではないか。 この燃焼現象に対する火の信仰が原初的に存在し、これにひかれて日本武尊の野火の説話が結びつけられたとも見られる。 |
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焼津神社 一、祭神 本殿 日本武尊 相殿 吉備武彦命 大伴武日連命 七束脛命 一、由緒 当社は記紀所載の如く、第１２代景行天皇４０年７月、日本武尊が弟橘姫を伴い、吉備武彦、大伴武日連の武将を従え、七束脛を膳夫として東夷御征討の砌、此地で野火の難に逢われた際、天叢雲の剣で草を薙ぎ、向火を放って、悉く賊徒を討滅されたという御事蹟を伝える御社で、廷喜式神明帳登載の駿河国益津郡焼津神社は、即ち当社である。駿河国諸郡神階帳によれば、神階正四位下に叙せられ、入江大明神とも称えられて諸民衆から崇敬されて来た。 創建は、駿河国風土記によれば、反正天皇４年己酉(西暦４０９年)と云われ、今川氏の代になって社領五百石の寄進をうけ、徳川氏に至り、家康は社殿を造営し、又代々七十石の朱印高が附せられている。 明治天皇御東幸の際は、官幣使差立の先触状があったが、官道より遠隔のため沙汰止みとなった。明治６年３月２２日郷社に、同１６年６月２５日県社に昇格、昭和４１年７月１日別表神社に加列した 一、社殿 本殿 慶長８年徳川家康造営９坪 幣殿 昭和１９年造営１５坪 拝殿 昭和１９年造営３２坪 本殿内の万神、竜、松に鶴亀、笹にくじゃく、花に鳥、獅子、牡丹の七種の彫刻は数次の火災から焼失を免れ現存している。 一、摂末社・境内社 摂社 市杵島姫命社、祭神 市杵島姫命 飛地境内摂社 須賀神社 祭神 須佐之男命、奇稲田姫命、大巳貴命 創立年月不詳だが、古社であると伝えられている。 末社七社合殿 浅間神社、竈神社、天王社、八幡社、橘姫社、春日社、稲荷社 末社五社神社 市神社、天神社、天白社、藤之宮神社、王子神社 末社稲荷神社、祭神 宇伽之御魂 境内社 焼津天満宮、祭神 菅原道真公 境内社 焼津御霊神社 西南、日清、日露の戦役をはじめ第二次大戦まで、各戦役に召されて戦死した当市出身の２５００余柱の英霊を祀る。 境内社 郷魂祠 第二次大戦中、南方圏に第二の生産地を求めて雄飛した鰹節加工船団〈皇道産業焼津践団〉の殉職者３００余柱を祀る。 一、年中祭事 １月１日 歳旦祭 大漁祈願祭 ２月節分 節分祭 １１日 紀元祭 １７日 祈年祭 春分の日 春分の日当日祭 稲荷社祭 ６月３０日 大抜 夏越祈願祭 ８月１日 御注連下し祭 市神社祭 １２日 御沓脱祭 夕祭 御神楽祭 １３日 例祭 神幸式 秋分の日 秋分の日当日祭 市杵島姫命社祭 ２５日 天満宮祭 １０月１６日 須賀神社前夜祭 １７日 〃 例祭 ２７日 郷魂祠前夜祭 ２８日 〃 例祭 １１月２３日 新嘗祭 １２月１７日 鎮火祭 竈神社祭 １２月２３日 天長祭 ３１日 除夜祭 １月１日、８月１日を除く 毎月１日・１５日月次祭 毎月１５日御霊神社月次祭 一、特殊神事 正月元旦〈のぼり祭り〉 元旦早朝より漁業者が各船の大漁旗を大広前に立て、歳旦祭に併せその年の大漁祈願をする。 ５月１日～３日〈参籠祭〉 午后７時より漁業者が提灯を大広前に並べて参籠し、漁船の航海安全、大漁満足の祈願祭を行う。 ８月１日〈御注連下し祭〉 例大祭に当って各社殿(本社、摂末社、境内社)鳥居、社務所の注連縄を新しく調製し、神前に報告する。又、この日四ケ所の御旅所、神役の家、御休所、会所等にも二本の忌竹に注連が張られる。 ８月１２日〈のぼりかつぎ参り〉 １２日早朝、生後はじめての年より３年間（奉納焼津神社)と書いた幟をかついで参拝し、無事成長の祈願を受け、３年目にはその幟を神社へ奉納して終る。又、のぼりかつぎ参り一年目の幼児は、拝殿前斎場で魂の再生を願って〈神ころがし〉の儀式を受ける。 ８月１２日〈御神楽祭〉 午后９時より、例祭 渡御神事と並ぶ最も重要な祭儀であり、古来〈丑の刻祭〉とも言われ、神幸式前夜執り行われる古儀で、浄闇の裡にりゅうりょうと奏でられる古伝の笛の音曲は、その夜献ぜられる碁石御供と共に祭事の中心をなしているが、古く行われている湯立の舞共々、例祭に対しての厳重な物忌である。 一、特殊神饌 柏餅 ８月１日、御注連下し祭の神饌で小麦粉、少豆、塩の材料にて塩あんの柏餅を調製して献る。 碁石御供 ８月１２日夜、御神楽祭の神饌で、粳米を搗き粉にして浄水でねり、碁石大に製し、せいろに納めて献る。 生魚の掛魚 御神楽祭、例祭、四回の神幸式御旅所祭の時に、海の生魚(黒鯛又は、すすき)を献る。 煎豆飯 ８月１２日夕祭の神饌、粳米を炊いて、その中に大豆を煎って皮をむいたものを混ぜ入れる。 小麦飯・櫛形餅・牛の舌餅小麦飯は、小麦をふかし、こうせんをまぶしたもの、櫛形餅、牛の舌餅は夫々その型状を言うのであるが、三種の神饌とも神幸式北御旅所御祭事の時に、御供捧という少女が特別に奉献するのである。 一、宝物 文書 一通 永禄４年６月１１日 今川氏真公裁判状 猿田彦面 一面 宝歴３年天下一出目右満作 獅子頭 一頭 応永９年１１月吉日作けやき材 獅子頭 一対 永宝元年作者不詳 大刀 三振 景行作 信濃守藤原信吉作 備前長船清光作 楠公鉢割 一振 伝五郎入道正宗作 鏡 八面 元禄６年５月田中作賀作 一、旧跡 御沓脱 当社より東方０．３Kmの地にあり、日本武尊東征の時、一草庵をもとめて休息の折、一老女が小麦飯を奉った跡といわれる。 一、焼津神社と信仰 焼津神社の信仰は、里人の永い歴史の中に育くまれ培かわれて来た。一漁村の昔から、人口十万余の大漁業都市としての今日に至るまで、えんえん１６００有余年の間、入江大明神と崇められ、焼津神社を中心として栄えて来たことは、御祭神の偉大なる御神徳であり、里入の篤い信仰のたまものである。 とりわけ焼津の基幹産業としての漁業者の信仰は、小船を操った頃も、近代的装備を旋した現在でも変ることはない。これは漁業が超大な大自然とのたたかいであり、宏遠無比な神の霊力を仰がざるを得ない必須の素因がある。近年定着した遠洋漁業基地としての営みの中に祈願と報賽がなされ、焼津信仰の基ともなっている。 焼津神社の信仰が如実に具現されるのが〈荒祭り〉で名高い、八月の例大祭渡御神事である。 焼津の里人は正月よりも、八月の大祭によって〈焼津っ子〉としての成長を自覚するといわれている。 焼津祭りは神への奉仕であり、神と人、或いは祭る者と祭られる者との霊的な接触であり、絶え間なき斎戒のもとに行なわれ、神と人との合一を究極の目的とする、祭り本来の姿を見い出すことができる。 １２日御神楽祭の荘重極りない静と、１３日例祭の二基の神輿を中心に漲りほとばしる動の世界は、神人一体となり、本質的な神と人との交渉を深め、人の祈りを神に通じさせるための信仰形態でもある。 神輿に群がる若者達はもとより、他所に嫁ぎ、この日の忘れ得ない感動を胸におさな児を連れて里帰りした人、いつかは自分が主役にと目を輝かす少年達、それらの心の中に神の存在を意識するのである。 由緒書 |
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焼津神社 静岡県指定 無形民俗文化財 焼津神社の獅子木遣り 昭和５３年３月２４日県指定 催場 焼津市焼津二丁目 焼津神社他市内 催日 ８月１３日 由来 焼津では.江戸時代から明治初期にかけて朝比奈村(現岡部町)の奥から木を切りだし焼津港から江戸の深川ヘ木材を運んだ。このとき木遣り唄を歌って作業したが、これが焼津神社の祭礼(神幸式）に取り入れられ、神輿行列の先立ちをする獅子の運びに合わせて勇壮に歌われ、やがて祭礼にふさわしく、手古舞姿の少女違によって派手やかに歌い継がれてきた。 芸態 神輿渡御には神役や介添えなどおびただしい大行列が供奉するが先頭を務めるのが雌雄二頭の獅子頭で、一頭八十人くらいの手古舞の少女が連なって、道中、木遣り唄を歌う。 少女の衣裳は、束ね髪に手ぬぐいを被り、片袖を抜いて裁着を着用、黒足袋、草鞋で背に花笠を負い、腰に扇をさし、手に錫杖をもつ。 大人は、はち巻きをし、黒足袋を着用する。二人が獅子頭を持ち、あとの二人が獅子尾を支える。 木遣り唄には、「まなづる・てこ」「捧車(えんや）「上総くずし」の三曲がある。 昭和５７年３月 静岡県教育委員会 焼津市教育委員会 社頭掲示板 |
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焼津神社 焼津神社の御創建は反正天皇4年（西暦409年）と伝えられており、今から1,600年以上も前になります。 日本武尊の知恵と勇気と優しさを称え、焼津の守神としてお祀り（おまつり）をしたことが焼津神社のはじまりです。 神社を含む一帯では、宮之腰遺跡という1,600年程昔の遺跡が出土しており、古代祭祀の道具や人々が生活していた跡が発見されていることから、その時代からこの場所に神社があったことがわかります。 室町時代に今川氏が駿河の国を治めていた頃、この地域は「入江荘（いりえのしょう）」とも呼ばれ、焼津神社はその地名から「入江大明神」とも称されてきました。境内にある江戸時代の灯籠には「入江大明神廣前」の文字が彫られています。 今川氏や徳川家などの武家の信仰も厚く、また焼津地域の人々や命がけで漁に出て働いていた漁業関係者にとっての心の支えとして崇められ、現代までその信仰が受け継がれています。 公式ＨＰ |
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焼津神社 やいずじんじゃ 静岡県焼津市焼津。 当社は、『記』『紀』によると日本武尊の東征の時、この地の国造が謀って野火を放ったのに対し燧を鑽りて向火をつけ、草薙剣をもって草を刈りはらって難をのがれたところであるというo祭神は日本武尊を主神とし、相殿に古備武彦・大伴武日連・七束脛を配祀している。「延喜式神名帳』の駿河国益頭郡四座のうちの一座である。往古は現社地の東南数キロの地(現在は海中)に鎮座していたが次第に海と変じたために現在の地に遷座されたとも伝えられる。一般には「入江大明神」あるいは「入江様」と呼ばれ『駿河国諸郡神階帳』には「正四位下焼津明神」と見えている。今川氏は社領５００石を寄進したと伝えられ、江戸時代には朱印地七〇石が付せられた。明治６年(１８７３）に郷社、同１６年に県社に列した(現、別表神社)。例祭８月１３日。例祭前夜には御笛の儀が消灯の中で執行され、当日の神輿渡御でほ二基の神輿がはげしくもみあう。 神社辞典 |
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焼津神社 焼津は夜岐都と訓べし○祭神市杵島姫命、(風土記）○焼津村に在す、今入江大明神と称す、（参考）例祭 月日、〇日本紀、景行天皇４０年、日本武尊初到駿河、以燧出火之、向焼而得免、故号其処曰焼津（全文郡名の下に見ゆ）〇惚國風土記五十七残欠云、薦河国益頭郡焼津神社、瑞歯別天皇４年己酉、所祭市杵島比咩也、神貢三十束三畝三字田、 和名抄、（郡名武）益頭（万之都）とあるは、即ち此処なるべし、益頭は夜久都と訓しを、後に字によりて訛れる也、猶郡名の下併せ見るぺし、〇駿河國志に、焼津、草薙等神社は式内社にて、いつれも日本武尊の事跡にして、御同躰にましますと云り、 神位 國内紳名帳云、正四位下焼頭明神、 社頭 当代御朱印高七十石 神社覈録 |
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縣社 焼津神社 祭神 日本武尊 相殿 吉備武彦 大伴武日連 七束脛 合祭 大日霊貴命 宇迦之御魂命 猿田彦命 景行天皇 日本尊御子 旧と入江大明神とも称す、創立年代詳ならず、社記には反正天皇４年の創立とすれども、之れ偽書総国風土記に拠りしものにして、元より信ずるに足らず、御神体は宝珠に坐ます、当社は日本書紀、景行天皇４０年の條に、 「冬十月、日本武奪、初至駿河、其処賊陽從之、欺曰、是野也?鹿甚多、氣如朝霧、足如茂林、臨而応狩、日本武尊、信其言入野中而覚獣、賊有殺王之情、放火焼其野、王知被欺、則以燧出火之、向焼而碍免」 と見え、即ち、日本武尊の遺跡にして、延喜の制小社に列せられ、諸郡神階帳に、正四位下焼頭明神と見えたり、永禄４年６月１１日、今川氏真、朱印を寄せ奉りしが、慶長７年１２月１０日、徳川家康朱印七十石を寄進す、諸社御朱印写に云く、 「入江大明神社領、駿河國益頭郡山西之内焼津郷七袷石事、任慶長７年１２月１０日、元和３年２月２日、寛永１３年１１月９日、先判之旨、永不可有相違者也、仍如件 寛文５年７月１１日」 往古は、今の社地を距る東南数十町（今海中）の地に鎮座あらせられしが、其地漸次に海に変じたるを以て、今の地に奉遷せりと、明治６年３月郷社に列せしが、同１６年６月縣社に昇格す。 社殿は本段、拝殿、其他宝殿、社務所等を具へ、境内は１４４５坪(官有地第一種)あり、吉杉老松鬱然として社殿を擁護する所、自ら人をして襟を正さしむ、加ふるに、賽路遽く二十町の海濱に連り、其の間桜楓相交りて、春秋を飾る。明治３５年、近郷の天日神社、三宅神社、天神社、市神社、王子神社を合祀す、故老相伝ふ、当社に古来日本武尊の持ち給へる水石、火石の二石を蔵し、是を神霊とせり、一は水晶、一は笹の實を乾堅めたるが如き形状にて、其質詳に知り難しと式社略記に見えたるが、いっの頃なりしか、狂濤溢浪の爲め、一顧の玉流失せしが、朝夷郷玉取村に上り、里人これを仰いで神社を創立す、玉取神社是なりと、此日本武尊の水石火石の事は、逡江国麁玉郡の般若院の緑起にも、已に、「日本武尊、火水二石を富士の麓より投げ給ひしかば、一は尾張に落つ、即ち熱田宮是なり、一は遠江に落つ、云々」と見えたり、新風土記に云ふ、「今の入江大明神の本社のことにはあらず、今末社に弁財天の社なりと云社是なりと云、」 明治神社誌料 |
