諏訪大明神建御名方刀美命の第二の御子武水別命を祀る。 式内武水別神社の論社とされている。 |
樋知大神社略縁起 樋知大神社は諏訪大明神建御名方刀美命の第二の御子武水別命で清和天皇貞観8年6月朔日従二位に昇叙格調高い神である。 ひじり山を頂点とする農業開拓の守り神で自然と共に農民を慈む。(樋}は水路で(知)は民のくらしを治め司る大神である。 往古はひじり山を高栖の山と称し峰にかかる雲の状態で天候を占ひ雨乞により雨を降らせ給ひし事は広く安曇野・筑摩・川中島平農民の信頼するところであった。 神嶺より別れ下れる農業用水は八本の源泉湧水更に四十八口の武水別の神恩に浴する村々七十五ヶ村におよぶものでその尊崇敬神はもとより旧きものである。御社は始め峯に御坐あつ たがお田苗池のほとりに御坐なされ武(富)水別の神と奉称され今を去る717年の昔亀山天皇の文治元年修験僧学道・・・の峯に登られし時すでに戌亥の方に当って華表(鳥居)が望まれたと記されている。この度鳥居建設を記念して樋知大神社の略縁起の碑を建て大衆の調和を望む。 社頭掲示板 |
樋知大神社 霊峰聖山麓の中腹に鎮座し全山が新世代の火山で山林原野である。 社伝によれば亀山天皇の御代に合祀され往古は高栖の山と称し神社の称号は松代藩の佐久間象山と素緑で聖神社を水別の令により樋を水路、民のくらしを治め司る大神の由で改され峰からは豊富な八峰源水で実に48口の源で水路の流末は思恵によくし実に37ヶ村にも及んでいる。 お種池(田苗池)の清水は常時9℃で叢祠の周りの水を濁すと滋雨が降ることで安曇野筑摩川中平から参拝に雨乞いの神事を行っている。 参道には樹齢350年の杉、樅の木106本が鎮守の森である。長野市文化財指定 お種池 ブナ林1ヘクタール 長野県神社庁 |
樋知大神社境内のお種池及び社叢と湿性植物群落 名勝:お種池 ブナ林の下部の窪地にできた湧水池。年間を通じて水温8〜9度Cの清水で、池の中に石祠が祀られている。人々は、灌漑の種水として崇敬し、干ばつの時には、大岡ばかりでなく、川中島や篠ノ井、筑北などから人々が来て、石祠の周りを冷水に耐えて歩き、慈雨を願ったと伝えられている。 聖山は海抜1,000m付近まで第3期の小川累層が基盤となってその上を安山岩、玄武岩が覆い、その境目に湧く湧水は40を越える。 その中でも、樋知大神社境内にあるお種池は古くから有名で、絶えることなく湧く水は、灌漑の種水として周辺住民の信仰の対象であった。越後の僧、学道とお種池にまつわる言い伝えは大岡に残る伝説のなかでも特に親しまれているものの1つである。 天然記念物:ブナ林 面積約1ヘクタール。420本余を数える。平均胸高直径は15.95cm。 最大直径は117.6cm。本州内陸部に残存する樹齢300年に及ぶ稀有のブナ林である。 ブナはブナ科の落葉高木で、5月頃に淡緑色の花を咲かせる。果実は核斗内にあって堅く、10月頃成熟し、食用となる。木材は器具材として広く使用され、樹皮は染料となる。 このブナ林の中にはオオバクロモジ、ヤマモミジ、ユキグニミツバツツジ、ハイイヌツゲ、クマイザサなどの樹木やオオカニコウモリ、スミレサイシンなどの草本が見られる。このブナ林は、これら日本海的要素が強く見られる一方で、本州内陸部に特徴的なウラジロモミが多く生えているという変わった面も持っている。 もともと本州内陸部にブナ林は少なく、聖山一帯にあったブナ林も伐採によりほとんど残っていない。このブナ林は小規模ではあるが、僅かに残っている貴重な林であり、林の組成から見ても特異な存在である。 天然記念物:スギ林 社前のスギ並木で、80本余を数える。平均胸高直径は59.6cm。最大直径は167cm(御神木)。推定樹齢400年〜500年。 天然記念物:草本類 ブナ林やスギ林の林床の湿潤な土壌には、希少種であるミドリヒメザゼンソウやシダ類が繁茂している。 これまで、名勝と天然記念物を一括にして包括指定としてきたが、樋知大神社境内においては、名勝「お種池」が中心的な構成要素であるため、名称に「お種池」を明示することとし、平成28年3月8日付で「樋知大神社境内のお種池及び社叢と湿性植物群落」と名称変更した。 長野市文化財データベース |