祭神の天下春命の春は、地名や神社名の張と共に垂(はり)または治 (はり)の意味であり、土地をひらく、土地の開墾して農業を営んだ人々が、ひらいた田の豊作を願い感謝したことを意味する。 弘法大師が、天長元年(824)4月、石田の極楽寺を鴨部に移し、「下張神」を鎮守としたという。 |
志太張神社 鴨部東山の南山に在り 古老云ふ。天下春命を主と為すと。これ即ち天思兼命の子なり。 寳蔵院極楽寺記に云く、天長元年4月、弘法大師勅を奉じて、石田の極楽寺を鴨部に移し、下張神を以て鎮守と為せりと。 然れども未だ何の時に始めて之を祠るかを知らず。 蓋し下張は地名にして、其の地舊と社とし祭りし所の土后なり。故に就て以て鎮と為るなり。 延喜の時官社に列せらる。今は衰へたり。 全讃史 |