気仙沼港に突き出した神明崎に鎮座する。 五十鈴神社の境内社「猪狩神社」の左に、龍神社の石祠がある。 |
五十鈴神社由緒 当社がこの地に祀られた年月は祥かではありませんが、伝えられるところによりますと、応永年中、今から約550年前に村毎に一社の皇大神宮を祀ることになったとき、当村の丸森に建立されたと言われます。その後、現在の神明崎に移したのですが、今でもその丸森(気仙沼駅の近く)を「御伊勢」と呼んでいることからもうなづけるところです。又古老の言い伝えによりますと、康平年間(約900年前)八幡太郎義家が反乱を鎮める為この地方に来たとき、丸森付近に一泊し、翌朝軍勢を整えて出発しようとしたところ、急に黒雲が立ちこめて一歩も動くことができなくなりました。それで義家は遥かに伊勢神宮に祈願したところ、不思議にも暗雲一時に消えて快晴となり、勇躍軍を進めて勝利を収めることができました。そこで義家は御礼にこの丸森に伊勢神宮の御宮を建立し、気仙沼地方の鎮守の神社にしたのだとも言われています。 全国神社祭祀祭礼総合調査 神社本庁 平成7年 |
五十鈴神社略記 御祭神 天照皇大神 (五十鈴神社) 素盞嗚大神 (八雲神社) 大海津見大神 (竜神社) 御由緒 応永年中(約600年前)に当地の丸森に祀られた。その後、延宝年中(約300年前)この神明崎に遷座された。 御祭日 五十鈴神社 旧9月11日 (お神明さんの秋祭) 八雲神社 旧6月15日 (お天王さんの夏祭) 大海津見神社 4月 (春の浦まつり) 境内社 猪狩神社 気仙沼湾に海苔養殖と製塩を伝えた猪狩新兵衛を祀っている。 産霊神社 妙見神社とも言い、造化三神(天御中主・高皇産霊・神皇産霊)を祀る。 社頭掲示板 |
五十鈴神社と猪狩神社 市街地には珍しい原生林である神明崎の五十鈴神社境内は「百樹園」とも称され、多様な植生が見られます。夏に黄色い房状の花を咲かせる.「モクゲンジ」は自生の北限と宕われ、市指定天然記念物となっています。 旧暦3月27日の春まつりは「浦まつり」と称し、気仙沼漁業協同組合が祭主となって海上の安全と大漁を祈願します。 境内には、当地の海苔(のり)養殖と製塩技術の先駆者である猪狩新兵衛(いがりしんべえ)を祀った猪狩神社や、郷土の歌人熊谷武雄(くまがいたけお)の歌「これやこのひがし日本の海のなか海 くろしほはくる親しほはくる」が刻まれた日本百景記念碑、松尾芭蕉の句碑などがあります。 石川啄木は、旧制盛岡中学生であった明治33年(1900)7月20日、気仙沼に宿泊、生まれて初めて海を見て、翌日、ここ神明崎から大島を眺望し三陸海岸を北上しました。 社頭掲示板 |