長い参道と広い境内を持っている。 |
神明神社 所在地 埼玉郡菖蒲町大字上栢間 神明神社の創立は、社伝に景行天皇の時といわれる。 祭神は、古くは天照皇大神、豊宇気毘売神、大宮売神の三神であったが、現在は天照皇大神、豊宇気毘売神の二神を祭っており、伊勢神宮の分霊のため、近年まで「神明両社」と呼んでいた。 江戸時代、徳川家譜代の家臣内藤四郎左衛門正成が、栢間および新堀、三箇、戸ヶ崎、小材の旧五か村を領してから、五か村の総鎮守として以来、歴代の領主が厚く崇敬した。 明治6年に村社となり、昭和16年郷社に昇格し「神明神社」と改称、さらに昭和20年に県社となった。 本殿は、天保8年(1835)に建てられたもので、昭和38年に屋根を改修している。 毎年1月15日には、火防除と呼ばれる「鎮火祭」と、その火で粥を煮てその年の作物の豊凶を占う「筒粥」の神事が行われる。筒粥の神事は、大鍋に米三合水六升を入れ、葺の節のないところを長さ七寸位に切り、十八本を簀状にし麻で結ぶ。一本一本の葺に米粒が入る数によつて占い、多くの米粒がはいつたものほど豊作とされている。 昭和58年3月 埼玉県 社頭掲示板 |
神明神社の社叢 埼玉県指定 天然記念物 神明神社の社叢 埼玉県南埼玉郡菖蒲町大字上栢間3366 昭和52年3月29日指定 神明神社は、古くから住民の信仰を集めてきた由緒ある社である。 社叢は、長さが550mをこす参道林と境内林とから成り、面積は約1.74ヘクタールに及ぶ。参道の両側には、アカマツ・クロマツの並木が続いている。境内林は、高木にアカシデが多く、部分的にスギが点在する。これより低い木としては、ヒサカキ・シロダモ・エゴノキ・アズマネザサ等が多い。草木類では、チジミザサ・ジャノヒゲ等が比較的多い。この社叢は、現在はアカシデを主体とした不安定な状態を示しているが、潜在的にはヒサカキ・サカキを主体とするシラカシ群を、自然植生とみることができる。 境内にあるアカマツの大木は、樹状が笠状を呈するので、「笠松」として知られている。 埼玉県東部低地には、潜在自然植生をよく示す広域的な林は少なく、貴重である。 昭和54年11月3日 埼玉県教育委員会 菖蒲町教育委員会 社頭掲示板 |
神明神社と社叢 久喜市菖蒲町上栢間には、社叢(神社の森)が埼玉県の天然記念物に指定されている神明神社があります。 神明神社は、天照(あまてらす)皇大神・豊受(とようけ)大神などを祭神とする神社で、景行(けいこう)天皇(第12代と伝えられる天皇)のときに創建されたと伝えられています。江戸時代には、領主の初代内藤正成(まさなり)をはじめ、歴代の内藤家の当主に保護され、栢間村を含めた5ヶ村(戸ヶ崎村、三箇村、新堀村、小林村)の総鎮守(そうちんじゅ)として人々の厚い信仰を集めていました。 また、神明神社では、毎年1月中旬にオヒタキ、筒粥(つつがゆ)の神事が行われています。オヒタキとは、鎮火祭(ちんかさい)のことで、筒粥の神事は、このオヒタキの残り火で米と節のない筒状の葦(あし)を一緒に炊き、筒の中に入った米粒の数で作物の豊凶(ほうきょう)を占います。占う作物は、大麦・小麦・早(わせ)稲・中(なかて)稲・晩(おくて)稲・粟(あわ)・稗(ひえ)・きび・大豆・小豆・大ささげ角豆・木綿・麻・芋・菜種・蚕・桑の17種類で、結果は社殿(しゃでん)に貼り出されます。 この神明神社の社叢は、埼玉県東部低地の自然植生をよく示す貴重な自然林として、昭和52年に埼玉県の天然記念物に指定されました。 社叢の広さは約1.74ヘクタールで、500メートルを超える参道林と境内林から構成されています。境内林は、高木にはアカシデが多く、低木にはヒサカキ、シロダモ、エゴノキ、アズマネザサなど、おおよそ47種類の植物が生い茂っています。このうち、ヤブニッケイ、ウワズミザクラは希少な植物とされています。現在、社叢に生える主な樹木は、アカシデとなっていますが、本来の社叢の樹木はヒサカキ、サカキが主となるシラカシ群の自然植生であったようです。 神明神社の参道入り口には鎮守の森公園(駐車場あり)があります。車でお越しの際は、こちらの駐車場をご利用ください。また、公園付近には、全長100メートルを超える天王山塚古墳(てんのうやまづかこふん)(県指定史跡)もあります。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。 久喜市HP |