集落の上の山腹に鎮座している。 |
糸崎の仏舞 糸崎町 国指定重要無形民俗文化財[平成16年2月6日指定]仏舞は、糸崎寺の本尊てある千手観音に奉納される厳かで優美な舞いです。 一年おきの4月18日、観音堂前の舞台で仏舞は行われます。仏面に黒い法衣を着た「舞い仏」と、金色の面と青い法衣を着た少年の「念菩薩」、そして白い童面に白の法衣を着た小児の「角守り」と呼ばれる計十二人が舞台に立ちます。その横のやぐらの上には太鼓と鉦で調子をとる「舞い楽手」が座り、舞台の奥には奏楽する「楽人」が並び、計十余人による雅楽の調べに合わせて、優雅な舞いが繰り広げられます。舞い楽手は舞い仏が舞うときに、楽人は念菩薩が舞うときの奏楽をします。角守りは舞いを舞わず、舞台前面の隅に合掌姿で立っています。これらの出演者はすべて男性で、糸崎で産湯を使った者に限られます。 仏舞の由来は、次のように伝えられています。天平勝宝8(756)年に中国の育王山の高僧禅海が糸崎寺を訪れ、千手観音を寺に安置したところ、観音菩薩が大勢集まって舞い歌いました。その様子を舞いで表現したものが仏舞であるといわれます。 仏の仮面を着けて舞う芸能は珍しく、奈良時代から伝わる舞楽の演目である『菩薩』を起源としているといわれます。加えて、芸能の移り変わりや地域の特色をよく示し重要であることから、平成16年に国の重要無形民俗文化財の指定を受けました。 全国的にも貴重である仏舞を後世に伝えるため、糸崎町では「仏舞保存会」を結成しています。保存会は衣装や道具を管理し、出演者への指導を行い、仏舞に関わる全てを執り行います。仏舞は、地元の方々の地道な努力に支えられて受け継がれてきたのです。 福井市教育委員会 社頭掲示板 |