社地はもと現在の鎭座地の北方約500mの「かやむ堂」(カヤンダウ)にあつた。 この神社と鎮座地の東方にある嘉例澤地区とは深いつながりがあつたようであり、嘉例澤には「ふるみやの跡」と称するころがあつて土地の人びとは「ここから三島様へ神様がゆかれた。」と云い伝えている。 また、嘉例澤村の山頂から早朝(鶏の鳴く頃)御幣が飛んで三日市に留まり土地の人々が祀ったところ、三体の神像が出現し三島大明神と称されて信仰されたと伝えている。 この神社には鶏を神聖視する信仰がある。この風習は、大市首の祖とされる都怒賀阿羅斯止にゆかりがあり古代朝鮮の新羅に因んだようであり、新羅でも鶏を神聖視し、国名も一時「鶏林」と称していた。 |
八心大市比古神社 市指定史跡 八心大市比古神社 指定年月日 昭和30年7月11日 所在地 黒部市三日市1036−1 所有者 八心大市比古神社(宮司 桜井左内) 由来 この神社は、延長5年(927)の延喜式神明帳に記載されている式内社である。 祭神は、大山祇神・少彦名神・迦具土神で昔から五穀豊穣の守護神として、町民はもとより近郷の人たちに「三島明神」といわれ、崇敬されてきた。 神社には、慶長元年(1596)獅子頭を奉持して家々を回り、家内安全・無病息災を祈った「御獅子頭御入之家」の古文書や寛文4年(1664)に寄進された鰐口、元禄2年(1698)作の鶏之図絵馬など社宝として保存されている。 市指定の天然記念物「桜井の化藤」「三島の大ケヤキ」が神社の飛び地にある。 明治6年(1873)県社に列せられた。 昭和17年(1942)社殿が木曽のヒノキ材で造られた。 市指定絵画 元禄2年銘鶏之図絵馬 指定年月日 平成4年6月29日 所在地 黒部市三日市1036−1 所有者 八心大市比古神社(宮司 桜井左内) 由来 元禄2年(1689)4月に奉納された絵馬で「鶏」の絵馬では県内最古のものである。 横幅60cm・縦幅41.3cm・額縁丸の厚さ1.2cmで、杉の一枚板、板地着色である。 威厳さをもつ雄鶏と、和やかさをもつ雌鶏のつがい絵で、表に「奉掛御神前望叶成就所 敬白」「元禄貳巳歴卯月吉日 三日市銭屋利太郎」 裏に「三島大明神宮守左内御印 橘式部卿陰陽師左門」と墨書されている。 古来、八心大市比古神社の氏子は、鶏を神の使いとして大切にし、神聖視して今日に至っている。 黒部市教育委員会 社頭掲示板 |