宇太水分神社(菟田野町)
うだのみくまりじんじゃ          .


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【国宝】

宇太水分神社本殿 国宝 一間社隅木入春日造、檜皮葺 元応2年(1320)


【重要文化財】

宇太水分神社末社宗像神社本殿 重要文化財 一間社流造、檜皮葺 室町後期
宇太水分神社末社春日神社本殿 重要文化財 一間社隅木入春日造、檜皮葺 室町中期




【本社本殿】

向かって右から第一殿、第二殿、第三殿であり、それぞれ、天水分神(あめのみくまりのかみ)、速秋津彦命(はやあきつひこのみこと)、国水分神(くにのみくまりのかみ)が祀られています。三棟はいずれも、一間社隅木入春日造の檜皮葺です。本殿三棟のうち、第一殿と第三殿は、鎌倉時代の元応二年(西暦1320年)に建造されたものであることが第一殿の棟木銘によって明らかであり、第二殿は永禄元年(西暦1558年)に修理工事が行われたことが棟木銘に記されています。三棟は等間隔で横一線上に並んでおり、「みくまり造り」と称され連結社殿の原初形式を示すものであります。建造当時の部材が良好な状態で残されていること、意匠が独創性に富んだものであること、さらに建造年代の明らかな隅木入春日造としては最古のものであることが評価され、昭和29(西暦1954)年に国宝の指定を受けております。
公式HP


【お渡り】

10月の第3日曜日には、醍醐天皇の時代、昌泰元(898)年から始まった由緒ある「お渡り(秋祭り)」が行われます。五穀豊穣、水配りに感謝するお祭りで、惣社水分神社(上芳野)から出発する鳳輦神輿を中心に、芳野川に沿って宇太水分神社まで往復12kmを練り歩きます。
この日は、惣社水分神社の女神(速秋津姫神)と宇太水分神社の男神(速秋津比古神)が年に1度だけ会える日といわれており、女神は鳳輦神輿に乗って渡ります。昔、芳野川上流の入谷には水銀鉱があり、水銀は大変貴重なもので、男神は水銀で化粧品をつくり女神にプレゼントしたという伝説もあります。
「お渡り」は、すべて拍子木の合図で進行し、はんてんを着用した先供(子ども)がそれぞれ小鉾・立傘・台傘・弓・鉄砲・薙刀・赤槍・次槍を持ち、後供(大人)の手振役2人によって先頭をきり、先箱役が先祓いをして、長柄・花籠・花籠持・御鉾・鉾持・獅子頭・獅子頭持・御輿太鼓・太鼓持・太鼓打・金弊・金弊持・白弊・白弊持・立札・立札持・大榊・大榊持・賽銭箱・賽銭箱持・杓ふり・宝箱・宝箱持・鳳輦神輿・神主・役員とそれぞれの衣装をつけた行列が延々と続きます。
途中、太鼓台6台や子ども御輿が合流し、宇太水分神社境内になだれ込み、祭りは最高潮に達します。




宇太水分神社

うだみくまりじんじや 奈良県宇陀郡菟田野町古市場及び榛原町下井足。つまり同社名の神社が二社鎮座している。以下冤田野町古市場鎮座の社を甲社、榛原町下井谷鎮座の社を乙社ということにする。両社ともに共通すのは、旧県社であることと例祭日が10月21日という点である。甲社は、三殿造りの現国宝の社殿には、速秋津彦命・天水分神・国水分神が祀られている。乙社は、天水分神・国水分神・天児屋根命・品陀別命を祀る。一般に乙社を下社、甲社を中社といい、菟田野町上芳野鎮座の芳野水分神社を上社と称している。
因みに宇陀郡内に合計七社の水分神社が鎮座している。宇太水分神社は、平城天巣大同元年(806)神封一戸が寄せられ、清和天皇貞観元年(859)正月には、従五位下から正五位下が授けられた。また延喜の制では大社に列し、祈年・月次・新嘗の案上の官幣及び祈雨の幣に預かったが、前掲の甲社、乙社のいずれがそれに該当するかはつまびらかでない。

神社辞典



縣社 宇陀水分神社

祭神 天水分神 國水分神
相殿 天児屋根命 品陀和氣命
本社創立は、崇神天皇御宇神教に從って、赤盾八枚赤矛八竿を以て墨坂神を祀る、墨坂神は蓋宇太水分神也(神祇志料社記)平城天皇大同元年神封一戸を充奉わり(新抄格勅符)仁明天皇承和7年10月己酉无位水分神に從五位を授け、清和天皇貞観元年正月甲申從五位下より正五位下に進め、同9月庚申幣使を差して雨風を祈り給ひ(三代実録)、醍醐天皇延喜の制大社に列り、祈年、月次、新嘗の案上官幣及祈雨の幣に預る、即祈年祭水分四神の一也(延喜式)、即ら式(四時祭上)祈年祭條に、宇陀水分加馬一匹、同三(臨時祭)祈雨祭神八十五座(並大)云々、宇陀水分社一座云々(神社覈録)然るに中世以後大に衰頽し、社僧二寺を以て神事を勤む(社記)後近郊十村の氏神なり(大和名所図絵、大和志)明治維新の際社僧を廃し、同6年郷社に列せられ、次いで37年6月7日縣社に昇格す。
社殿は本殿、拝殿、祀詞殿、神饌殿、神樂殿、社務所等あり、境内一町一反一畝歩(官有地第一種)、東北西の三方は田圃にして、南方は字城山と称する丘陵に接し、老樹欝として頬る幽静の地たり。

明治神社誌料






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