【粟鹿神社勅使門】 朝来市指定文化財(建造物) 粟鹿神社勅使門(ちょくしもん) 昭和47年4月1日指定 勅使門は、勅使が神社に参向する隙、出入りする門である。 粟鹿神社では、四回の勅使参向があったことが記録に残っている。 創建稔は不詳。桁行3.95m、梁間3.3m、妻割の四脚門形式で、建材の大部分は欅である。屋根は現在銅板葺であるが、以前は桧皮葺であった。柱は、上下に粽を施して基盤の上に立っている。 柱上の組物、中備えの三斗詰組、海老虹梁、木鼻等は唐様の手法を示している。本柱間の両開きの唐戸は、透かし彫りの欄間をつけ、羽目板には鳳凰が刻まれている。頭貫には簡単な若草模様が見え、全体的には唐様であるが、妻梁を受ける本柱からの挿し肘木は天竺様の手法がうかがえる。 度々の災禍も免れたと伝えられ、数少ない遺構の一つである。 平成24年3月 朝来市教育委員会 社頭掲示板 |
【木造著色随身倚像】 朝来市指定文化財(彫刻) 粟鹿神社木造著色随身倚像(一対二体) 平成23年2月16日指定 木造著色倚像(一対二体)は、随身門に安置されている。 木造著色倚像(阿形)は、随身門の南東部に安置、総高117.6cm 像高(座高)82.2cm一木造(内刳なし)、彩色、彫眼。 左右においかけを付けた冠をかぶり、口は少し開けて顔をやや左に向ける。朱色の袍を着て、表袴をはき、五本の矢を挿した胡ぐいを背負う。右手に弓を左手に太刀を持つ。 木造著色僑像(吽形)は、随身門の北東部に安置、総高122.1cm像高(座高)87.3cm一木造(内割あり)、彩色、彫眼。 左右においかけを付けた冠をかぶり、口を閉じて顔をやや右に向ける。黒色の袍を着て、表袴をはく。左腰に太刀を侃き、五本の矢を挿した胡ぐい背負う。右手に弓を左手に矢を持つ。 随身倚像の制作年代は、両像とも銘文は記されていないが、随身の像内に入れられていた棟札から、江戸時代前期、宝暦5年(1755年)に修理されたことが判明する。さらに棟札の裏に天和3年(1683年)に再興されたと記されている。 台座は候補で、色彩は殆ど剥落し、像内に修理時の補材が見られるが、造立当初の姿をよく留めている。 平成23年4月 朝来市教育委員会 社頭掲示板 |
【木造箸色狛犬像】 朝来市指定文化財(彫刻) 粟鹿神社木造箸色狛犬像(一対二体) 平成23年2月16日指定 木造箸色狛犬像(一対二体)は、髄身門に安置されている。 狛犬(阿形)(正式には獅子))は、像高89.4cm像長88.3cm、彩色、彫眼。 右足を少し前に出して座り、やや左を向いて開口する。たてがみは巻髪である。 狛犬(吽形)は、像高97.6cm像長85.9cm木造、彩色、彫眼。 左足を少し前に出して座り、口を閉じてやや右を向く。頭上に一本の角を出したたてがみは、直毛で房状に表している。 狛犬の制作年代は、両像とも銘文は確認できない。迫力のある表情や力強さが見られる作風は、鎌倉時代風であるが、背筋の後半が湾曲しているのは、制作年代が新しいことを示すものと思われ、江戸時代前期の制作と推定される。 台座は後補で、彩色もほとんど剥落し、足先にやや傷みがみられるが、力強く迫力がある当初の姿をよく伝えているのは貴重である。 平成23年4月 朝来市教育委員会 社頭掲示板 |