【室の八嶋】 栃木市指定文化財(指定第38号) 下野惣社(室の八嶋) 昭和43年2月16日指定 大神神社は、今から千八百年前、大和の大三輪神社の分霊を奉祀し創立したと伝えられ、祭神は大物主命です。 惣社は、平安時代、国府の長官が下野国中の神々にお参りするために大神神社の地に神々を勧請し祀ったものです。 また、この地は、けぶりたつ「室の八島」と呼ばれ、平安時代以来東国の歌枕として都まで聞こえた名所でした。幾多の歌人によって多くの歌が、残されています。 煙たつ室のやしまにあらぬ身はこがれしことぞくやしかりける 大江匡房 いかでかはおもひありともしらすべきむろのやしまのけぶりならでは 藤原実方 くるる夜は衛士のたく火をそれと見よむろのやしまも宮こならねば 藤原定家 ながぶればさびしくもあるか煙たつ室の八島の雪の下もえ 源実朝 東路の室の八島の秋のいろそれともわからぬ夕けぶりかな 連歌師宗長 糸遊にむすびつきたるけぶりかな 松尾芭蕉 栃木市教育委員会 社頭掲示板 |
【道鏡】 奈良の都で孝謙天皇の御信任が厚かつた道鏡禅師は天皇崩御まもない西暦770年(宝亀元年)下野薬師寺の別当として赴任の際この室の八嶋神領に久しく往んだと伝えられている。 (室八嶋大明神勧進帳にあり) 2010(平成22年) 道鏡を守る会 社頭掲示板 |
【御神木】 寛永17年、三代将軍家光公が日光社参の折、当社に参拝された。当時当社は荒れたままの状態であった。家光公は延喜式内社・煙の名所として名を馳せた当社の荒廃を嘆き、社領30石と杉苗1万本を寄進し、復興に当たった。随行の諸大名、旗本等からも多額の寄進を受けて再建された。天和2年社殿が完成された。 現在の社殿は当時の社司野中猪三郎氏が社殿の朽廃をみて、自らも私財を投じ氏子崇拝者の協賛を得て、大正14年に起工し、大正15年4月に完成したものである。 この御神木は平成16年、荒川真澄宮司が設定された。先代の御神木は御神庫(石庫)の脇に切株のみ残っている。 社頭掲示板 |